怒りは相手のせい?

俺を怒らせるお前が悪い」これはモラハラDV男がよく言う台詞だろう。でもこれは男に限らない。女でも子供でも同じ。「なんであなたはこうなの!」「なんでわかってくれないの」つまり、相手がそうであることが悪い、相手が理解しないのが悪い。そういうことである。しかしそれは真実か?もちろんそうである。本人らの頭の中では。

怒りとはそもそも何か。怒り感情の生物学的起源は、動物の縄張り争いだと言われている。自分と同種の別固体が、自分の縄張りに侵入してきた時に、威嚇して相手を追い払う。それが怒りの原点。目的は相手を殺すことでも食べることでもない。相手の行動を変えさえることが目的。つまり、自分の縄張りが侵害された時に「ガー!!」とやって相手に行動を改めさせたい、という衝動が怒りである。

だから怒る本人の中では、自分の何かが侵害されたのでガーッ!とやって相手を変えたい衝動が生まれた、というのは紛れもない事実。ただそれは、はたから見れば動物が縄張り争いをしてるだけである。

そして動物は相手のほうが強い場合は戦わず逃げる。怒って威嚇するのは自分より弱そうな相手に対してである。怒りも同じ、やられたらやり返す。自分より弱い相手を見つけて

人間の頭の中では、縄張りとは何かのルールやモノである。自分はこれを守ってるから幸せになれる(と思い込んでいる)ルールやモノ。それが侵害されると怒る。

本人が何かを侵害された「気がした」それは確かだろう。すると怒りの感情が湧く。それもそうだろう。しかし、それで「ガー!!」と怒りをあらわにするかどうかは別問題である。さらに、自分が「そんな気がした」からと言ってそれが正しいとは限らない。人間には認知の歪みがある。誤解や曲解、錯覚、決めつけ、過去のパターンの反射的な繰り返し、誇大妄想などが起こる。それでも、一度怒ってうまく行き、味をしめれば繰り返す。破滅するまで。動物は他のやり方を知らないから。

しかし、家庭円満や心の平和、子供たちの健全な成長を願うならば、自分が怒りの脳(動物的な脳)に身を任せることに意味があるのか自分で判断する必要がある。短絡的には怒れば快感だろう。自分の正しさが示せた気がして。相手を従わせることもできるかもしれない。ただそれは、動物が縄張り争いで勝った時の快感と変わらない。本当にそんなこと家庭の中でしたいのか?死ぬまで?あるいは自分が逮捕されるまで?あるいは子供から殺されるまでか。

実際は檻の中の動物が縄張り争いをしてるだけである。

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